ビオチンとは、元々皮膚炎を治すビタミンとして発見され、ビタミンHと呼ばれ水溶性のビタミンB群になり、今はビタミンB7として分類されています。ビタミンB群は、お肌にとって大切な成分です。肌荒れは、肌に必要な栄養が不足すると細胞分裂がうまくいかず起こってしまいます。ビオチンは、ビタミンCと同じで水溶性ビタミンなので必要な分以外は、素早く体外に排泄します。なので過剰症状を起こす心配はありません。ビオチンは、妊娠中・授乳中でも安全性が確認されています。ビオチンは、魚介類や大豆、クルミ、ピーナッツ等に含まれています。ビオチンは、補酵素Rとも呼ばれて、腸内細菌によって合成されています。ビオチンは、一般的には知名度は低かったのですが、女優の奈美悦子さんが病気の治療で、ビオチンを利用したことを発表したところ注目を浴びるようになりました。
ビオチンによって改善効果が期待できる症状の1つに掌蹠膿庖症(しょうせきのうほうしょう)があります。掌蹠膿庖症とは、手のひらや足の裏に無数の膿庖といって膿を持つ湿疹ができることで、難治性の慢性炎症性疾患です。膿庖は爪にもできることがあり、褐色に変色・爪の変形といった症状が起こるので、爪水虫と間違われる場合もあります。掌蹠膿庖症が重度の場合、骨が変形し、激痛の関節症を起こす恐れもあります。掌蹠膿庖症は、免疫異常が起こるので高脂血症や糖尿病、甲状腺機能異常などを併発してしまうこともあります。膿庖は無菌性なので、細菌やウィルスによって掌蹠膿庖症が周りの人にうつるようなことはありません。家族内で似た体質の場合症状が出ることはありますが、掌蹠膿庖症が遺伝することはありません。肋骨や鎖骨など骨化を合併した掌蹠膿庖症性骨関節炎といったものもあり、首や肩、胸、腰などの痛みを伴う人もいます。
ビオチンによって皮膚トラブルの改善効果が期待できますが、他にもラクトフェリンがあります。ラクトフェリンとは、1939年に初めて牛乳ホエーから赤色をしたタンパク質画分として発見されました。ラクトフェリンは、その後牛乳だけではなく、出産した直後の母乳(初乳)に多く含まれていることが明らかにされました。抵抗力のない赤ちゃんが元気でいられるのは、母乳に含まれるラクトフェリンがウィルスや細菌から赤ちゃんを防御したり、腸管での鉄の吸収調節、ビフィズス菌形成に関わっていたりする働きによるものではないかと言われています。ラクトフェリンは鉄と結合しやすくラクト(乳)とフェリン(鉄)から名付けられています。ラクトフェリンはアレルギーの抑制や免疫力の向上、整腸作用、殺菌・抗菌効果、貧血予防などの効果があります。ビオチンと一緒に摂取することで更なる効果が期待できます。
ビオチンはビタミンB群の1つですが、ビタミンB1もその1つです。ビタミンB1は、炭水化物や乳酸菌などの分解を助け、エネルギーに変換したり、ストレス緩和の働きをします。また脳神経系の正常に保つ働きもあります。ビタミンB1は、穀物のはい芽やレバー、豆類、豚肉などに多く含まれています。ビタミンB1は、米のぬか部分にも含まれていますが、私たちは米を精白米で食べているのでビタミンB1は減少しています。ビタミンB1は、洗米の加減で流れ出てしまうので程よい洗米が大切になります。ビタミンB1が不足してくると、糖質がエネルギーになりにくくなるので、夏バテのような症状(だるい・疲れやすい・食欲減少)になったり、もっと不足してくると脚気といった病気が起こってきます。激しいスポーツをされる方や多忙な方はエネルギーを活発に消費しているのでビタミンB1の積極的に摂取していくようにしましょう。
ビオチンは古くから医療用として、皮膚疾患の治療薬などに使われていました。ビオチンが持つさまざまな効果としては、アトピー性皮膚炎の改善として、ヒスタミンを体外へ排泄する働きがあります。掌蹠膿庖症の改善としてビオチン補給で症状を改善があります。美肌作りとしては、皮膚の再生能力を高め、細胞の活性化など皮膚機能を正常に保つ効果があります。糖尿病の緩和として、ビオチンが糖の代謝を促進することによって、血糖値を低下させ糖尿病を緩和させる効果があります。筋肉痛・疲労感の予防として、乳酸を分解して、再びブドウ糖へ戻す効果があります。脱毛予防として、ビオチンはアミノ酸の代謝に関わる補酵素として働く効果などがあります。これらは、ビオチン不足からなる症状が多いので予防するためにもしっかりと摂取していくとよいでしょう。
掌蹠膿庖症(しょうせきのうほうしょう)はあまり知られていない病気でしたが、女優の奈美悦子さんが克服したと語り、同時に治療で使った〈ビオチン〉も一緒に有名になりました。奈美さんは2004年1月頃に発病し、はじめに手のひらに膿庖ができ、かゆみが生じ、その内鎖骨や背中、関節、骨盤と激痛が走る痛みが移動していったそうです。しばらくは痛みに耐え、仕事をしていたそうですが、ある日スタジオで倒れたそうです。いろいろな病院に通ったのですが、病名も治療法もわからず、「一生治らない」とも宣告され、症状は悪化するばかりだったそうです。最終的に秋田県にある本荘第一病院の前橋医師と出会い「掌蹠膿庖症性骨関節炎」と診断され、ビオチン治療や生活習慣の改善指導を受け克服されたそうです。闘病中は呼吸だけで激痛が走ったり、寝ていても痛みで目が覚めるなどとても苦労をされたようです。